【プロンプトあり】freee×Claude(AI)は経営分析できる?会計事務所が実際に試してみました

「売上は増えているのに、利益が増えない理由を知りたい。」
「来年、従業員を1人増やしたら利益はどう変わるんだろう。」
「試算表を見ても、どこに注目すればいいのか分からない。」
そんなとき、「AIで分析できたら便利なのでは?」と思ったことはありませんか。
そこで今回、実際にfreeeから出力した会計データをClaudeに読み込ませて試してみました。もちろんAIが税務判断をしてくれるわけではありません。しかし使ってみると、数字を整理したり、『利益が減った理由は何だろう?』と考えるきっかけを作ったりするツールとしては、とても便利だと感じました!
中嶋会計事務所今回は、事業者の方でもすぐに試せるClaudeの活用場面とプロンプト例をご紹介します!他のAIでも活用可能です。
freeeから帳票を出力する
まずは、分析したい帳票をfreeeからCSVまたはPDFで出力します。(ここでは損益計算書・貸借対照表の画面で説明します)
PDF・CSVどちらでも分析できますが、分析精度を重視する場合は、CSV形式がおすすめです。CSVは表形式のデータをそのまま読み込めるため、AIが数値や月次推移を正確に認識しやすくなります。
一方、PDFでも分析は可能です。まずは手軽に試してみたい方はPDFから始め、より詳細な分析を行いたい場合はCSVを利用するとよいでしょう。




- ② CSVの出力形式を選択してください
「項目を整列する」→ チェックあり推奨
科目が縦に整列されてClaudeが読みやすくなります。
「勘定科目コードを含める」→ チェックなしでOK
コードは分析には不要で、むしろデータがごちゃごちゃしやすいので外した方がすっきりします。 - ③文字コードの設定
WindowsかMacで推奨の方を選択 - ④出力する帳票
損益計算書と貸借対照表、両方チェックしてエクスポートしておくと便利です。
一度に両方のデータが揃うので、「お金が残らない理由」の分析など貸借対照表が必要な場面でもすぐ使えます。
freeeのどのデータをClaudeに読み込ませる?
Claudeで会計データを分析する際は、目的に応じて読み込ませるデータを選ぶことがポイントです。まずは全体の傾向を把握できる資料から始め、必要に応じてより詳しいデータを追加していくことで、分析の精度が高まります。
今回は、実際に試してみて特に活用しやすいと感じた3つのデータをご紹介します。
① 月次の損益計算書(12か月分の推移表)
まずおすすめしたいのが12か月分の損益推移です。利益が落ちた月や季節ごとの傾向が見えやすくなり、AIも数字の変化を整理しやすくなります。
②試算表・貸借対照表
利益は出ているのにお金が残らない原因を考えるには、貸借対照表も一緒に見るのがおすすめです。
③ 仕訳データ・総勘定元帳
より詳しく原因を調べたい場合に活用できます。個人情報や機密情報は必ず匿名化しましょう。
Claudeへの聞き方(プロンプト)
AIは質問の仕方で答えが大きく変わります。単に「この会社の業績を分析してください」と指示するだけでは、一般的な回答になりやすいため、目的を明確にして質問するようにします。
具体的な例をご紹介します。
① 利益が減少した原因を分析する
freeeから出力した月別の損益計算書データをClaudeに読み込ませ、次のように質問します。


月別の売上高、粗利益、人件費、営業利益の推移を分析してください。特に、利益が悪化した月について、その主な原因を数字に基づいて説明してください。


- 売上の減少が原因なのか
- 人件費や材料費の増加が原因なのか
- 粗利益率が下がっているのか
など、数字をもとに整理してくれます。「利益が減った」という事実だけで終わらず、何が利益を押し下げたのかを把握するきっかけになります。
② 経費の増加原因を調べる
前年との比較も、AIが得意な作業の一つです。試算表(損益計算書)→前年比較にチェックをいれてエクスポートすると2期間の情報が一括で出力できます。


Claude(クロード)には次のように質問してみます。
前年と比較して増加率の高い経費科目を抽出してください。金額による影響が大きい順に並べ、経営者が優先的に確認すべき項目を示してください。
経費の増加率だけでなく、利益への影響が大きい項目まで考慮して整理してくれます。増加率だけを見ると、もともと金額の小さい経費が上位に出てしまうことがあるので、「増加率」と「利益に与える金額的な影響」の両方を確認するのがポイントです。
③ 資金繰りが苦しい理由を考える
「利益は出ているのに、お金が増えない。」
そんなときは、貸借対照表も合わせて読み込ませます。
利益は出ていますが、現預金が増えていません。損益計算書と貸借対照表の変化から、考えられる原因を整理してください。
- 売掛金の増加
- 借入金の返済
- 設備投資
- 在庫の増加
など、損益計算書だけでは分かりにくい要因も整理してくれます。利益と資金繰りは必ずしも一致しません。だからこそ、複数の資料をまとめて確認できるAIは、とても心強いサポート役になります。
特に「これは便利」と感じた場面
実際に使ってみて特に便利だと感じたのは、数字の変化と、その背景を短時間で整理できることです。
もちろん、AIが経営判断をしてくれるわけではありません。しかし、「何が起きているのか」を整理する下書きとしては、とても優秀でした。
その中でも、特に便利だと感じた活用例をご紹介します。
① 金融機関へ提出する説明資料の下書き
融資の相談や金融機関への報告では、「なぜ売上や利益が一時的に悪化したのか」「今後どのように改善していく予定なのか」といった説明を求められることがあります。
そのような場面で、試算表だけを提出するのではなく、
- 業績悪化の原因
- 数字から読み取れる背景
- 今後の見通し
などを整理した説明資料の下書きを短時間で作成できました。


以下は月次損益データです。このデータをもとに、金融機関向けの業績説明資料の下書きを作成してください。 【月次損益推移(単位:円)】 (CSVデータを貼り付け) 以下の構成で作成してください:
1.今後の見通し
2.年間業績の概要
3.上半期の業績と要因分析
4.下半期の業績と回復要因





Word形式で作ってもらえば編集も可能。
文章のたたき台ができるだけでも、資料作成の時間を大きく短縮できます
② 経営者への決算概要報告の下書き
- 売上・利益の一年間の推移
- 利益が増減した要因
- 資金の流れ
- 今後注目すべきポイント
など経営者が知りたい情報を整理し、スライドのたたき台としてまとめてくれるので、決算後に報告する際も役立ちます。
③ 利益計画・シミュレーションの作成
個人的に一番便利だと感じたのが、この使い方です。
会社設立や新規事業を始める際、
- 初年度の売上見込み
- 設備投資額
- 人件費
- その他の前提条件
を入力すると、かなり精度の高い利益シミュレーションを短時間で作成できます。
「従業員を1人増やしたらどうなるか」
「設備投資を増やしたら利益はどう変わるか」
など、条件を変えながら比較できるため、経営計画を考える際の参考資料として非常に役立ちます。


新規事業の利益シミュレーションを作成してください。
【前提条件】
- 業種:
- 開業月:
- 座席数:
- 営業時間:
- 想定客単価:
- 想定回転数:
【費用の前提】
- 設備投資: 万円
- 人件費:月 万円
- 家賃:月 万円
- 原材料費:売上の. %
- その他経費:月 万円
以下を作成してください:
1.条件を変えた場合の比較(従業員1名追加した場合)
2.月次の損益シミュレーション(12か月)
3.損益分岐点となる月商


事業者の方にもおすすめの使い方
会計事務所で試してみて感じたのは、こうした使い方は事業者の方ご自身でも十分活用できるということです。
例えば、次のような場面で役立ちます。
- 「売上は増えたのに利益が増えない理由」を分析する
売上高だけでなく、粗利益率や人件費率、固定費などもあわせて分析することで、利益が伸びない原因を整理できます。
飲食店であれば材料費や人件費、小売業であれば仕入率や在庫、サービス業であれば人件費や外注費など、業種ごとの重要な費用に着目するとより効果的です。 - 経費削減の優先順位を考える
すべての経費を一律に減らすのではなく、金額が大きい経費、前年から増えている経費、売上との関係が薄い経費、契約を見直せる固定費などをを抽出します。
ただし、広告費や人材教育費などは、単純に削減すればよいとは限りません。AIには「削減候補」と「売上への影響を確認すべき費用」を分けて整理させるとよいでしょう。 - 売上目標や利益計画をシミュレーションする
例えば、「営業利益を毎月50万円確保するには、月商はいくら必要ですか?」と質問すれば、必要売上高の目安を試算できます。
さらに、「従業員を1人採用した場合」「家賃が増えた場合」「借入金の返済が始まった場合」など、条件を変えながらシミュレーションできるのも大きな魅力です。
まとめ
実際にClaudeを使って会計データを分析してみると、利益が減った原因を考えたり、経費の見直しポイントを整理したり、利益計画をシミュレーションしたりと、経営判断に役立つ情報を短時間でまとめられる点が、大きなメリットだと感じました!
一方で、AIが出した内容をそのまま鵜呑みにすることはおすすめできません。AIはあくまでも分析や整理をサポートするツールであり、最終的な判断には、会社の状況や業界特有の事情を踏まえた視点が欠かせません。
しかし、「数字を整理する時間」を短縮できることで、本当に考えるべきことに時間を使えるようになる。
それが、実際に使ってみて一番大きなメリットだと感じました。
AIをうまく活用しながら、会計データを経営に生かす。その選択肢の一つとして、Claudeは十分試してみる価値があるツールだと思います。
freeeをもっと経営に生かしたい方へ
「試算表は見ているけれど、経営にどう生かせばいいか分からない。」
「AIを活用して、もっと効率よく数字を分析したい。」
そんな方は、中嶋会計事務所までお気軽にご相談ください。
freee認定3つ星アドバイザーとして、クラウド会計の導入支援から、会計データを経営に生かすためのサポートまでお手伝いしています。


